「ニットでもTシャツでもない、週末の主役」
NagaoDaisuke
休日の朝は
できるだけゆっくり始めたい。
部屋に差し込む光がやわらかくなった頃
ポットに湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
そんな何でもない瞬間にも
手が伸びる服がある。

コットン80%に、カシミヤを20%だけ
ブレンドした天竺生地。
数字だけを聞くとシンプルだが
袖を通した瞬間
その意味はすぐにわかる。
ふわっと軽く
手のひらでなでたくなるような
柔らかさ。
素肌に触れてもまったくストレスがなく
肌あたりは驚くほどなめらかだ。
夏のTシャツの軽やかさと
冬のニットの包まれる感覚
そのちょうど真ん中にある着心地。

インナーとしての振る舞いも抜群だ。
シャツやカーディガンの中で
その柔らかさが空気を含み
重ね着全体を軽く見せる。
一枚で着ても、きちんと感と
リラックス感が同居して
ニットほどフォーマルすぎない。
袖と裾に入れたリブが
ほどよいカジュアルさを
添えてくれるから
肩の力を抜いたまま
上質な佇まいを保てる。
ウールのスラックスと
合わせてレストランのランチへ
出かける日もあれば
色落ちしたデニムで古道具屋を
のぞく午後もある。
スウェットパーカーのインナーとして
あくまで裏方に回ることもできる。
その対応力は
まるで週末の予定表に寄り添うようだ。

「高級感のあるカットソー」
という言葉は、時に曖昧だ。
けれど、この一枚に袖を通せば
その言葉がただの
宣伝文句ではないとわかる。
質のいい服は
着る人の生活を
少しだけ豊かにしてくれる。
これは、そんな一着だ。
K.ITO / Cotton Cashmere Turtle L/S-T