黒が映える、夏の都市と肌の距離感。
NagaoDaisuke
以前に紹介したインディゴは
“馴染む”色だけど
今回はBLKデニムの
生地違いを紹介。

このブラックデニムには
“立つ”強さがある。
このパンツを穿いて
真夏の京都の街を歩くと
その違いがよくわかる。
白っぽく焼けた路地の石畳
影の濃い町家の軒先
ガラスに映り込む自分の姿。
そんな背景にこのBLKデニムは
静かに輪郭を描く。

使われているのは
逆スラブ糸を織り込んだ
9.5ozのライトデニム。
凹凸のある質感なのに
肌当たりはやわらかく
湿気のある空気でも張りつかない。
この質感こそが
この黒に表情を与えている。
真っ黒というよりは
光の角度で揺らぐような
深みのある黒。
汗ばむ肌にも無理がなく
それでいて視線をすっと引きつける
“静かな主張”がある。

腰回りにゆとりをもたせた
2タックのワイドシルエットは
ブランドの定番。
でも、この黒になると
いつもより少しだけ
フォーマルに見える。
ゆるいのにキリッとしてる。
そんなバランス。
Tシャツ一枚で過ごす日にも
大人の“余白”を感じさせてくれる。

膝下には
ワークウェア由来の補強ディテール。
普通なら表から当て布をするところを
あえてくり抜いて裏から別布を
仕込んでいる。
クラシックな手法をモダンに
解釈した仕上げ
黒の中に浮かぶ、構造の美しさ。

このパンツは
ただの夏の軽やかさを
狙ったわけじゃない。
蒸し暑い京都の街を
あえて「黒」で歩く感覚。
汗ばむ季節だからこそ
締める色を。
だからこそ
このブラックデニムは街の中で映える。