静けさと開放のあいだで——ZERO'ハカマパンツが描く日常の呼吸

静けさと開放のあいだで——ZERO'ハカマパンツが描く日常の呼吸

NagaoDaisuke

 

名前のとおり「静」と「動」のあわいにある。

日本の袴をモチーフにしたワイドシルエットは

パンツでもなくスカートでもない。

動くたびに空気をはらみ

形を変える。

 


朝の光の中では清らかに

夜風の中では柔らかく。

裾のアジャストベルトを締めれば

すっきりと端正に緩めれば

風を受けるようにふわりと。

着る人の気分を映すように

表情を変える一本だ。

 

 

素材には、ブルガリア山脈の高地で

育ったハイランドウールを使用している。

昼と夜の寒暖差が大きいその地で

育った羊の毛は、クリンプ(縮れ)が強く

しなやかで弾力のある質感を持つ。

縮絨加工を施すことで

ちりめんのような表情が生まれ

軽さと温かさを両立。

さらにタテ糸に双糸、ヨコ糸に繊細な単糸を

打ち込むことで、ウール100%ながら

繊細で膨らみのある素材に仕上がっている。

ワッシャー加工によって加えられた

自然なシワ感が

無理のない品のよさを添えている。

 

 

秋には

厚手の白シャツをタックインして

裾をやや締めてブーツを合わせたい。

足もとにボリュームを置くと

裾のドレープがより美しく映える。

休日の午後、街のカフェで風に

揺れるそのシルエットは

日常の中の静かな贅沢そのもの。

 

冬になれば

ゆるいウールニットを重ねて

足もとにはスニーカー。

アウターにはロングコートを羽織り

裾を広げて風をはらませる。

寒さの中に漂う柔らかい空気と

ハイランドウールのぬくもりが寄り添う。

どこかに出かけたくなるような軽やかさと

家で過ごす時間にも似合う穏やかさ。

その両方を持ち合わせたパンツだ。

 

 

ヒップにはクロスステッチのディテール。

見えない部分に宿る意志が

シルエットを静かに整える。


ZERO'ハカマパンツは

単なる服ではなく

「日常の中にある呼吸」そのもの。

日本の美意識と西洋のパンツスタイル

その境界をやわらかく

溶かし込んだ一本だ。

 

TOKIARI / ZERO HAKAMA PANTS

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