
設計思想にブレはない。
NagaoDaisuke市場の流行とは無関係に
長年ラインナップされ続けている品番がある。
理由は単純。無駄がない。
耐久性がある。
日常に耐えうる性能を備えている。
素材は、リサイクルコットン。
繊維廃材や余剰在庫から再生された糸を使用し
無理な化学処理を施さない。
そのため、生地は柔らかく、自然な膨らみを持つ。
新品特有の硬さがなく
最初からストレスフリーな着用感を実現している。
糸はナチュラルなまま、漂白や過剰な加工を避ける。
必要以上に均質化せず
素材本来の質感を活かした設計だ。
flistfia / 3/4 Crew Neck Sweat
シルエットは、七分袖。
寒暖差が大きい日本の気候に適応するため
季節を問わないユーティリティ性を持つ。
インナーにも一枚着にも対応できる
汎用性の高さは特筆に値する。
生地厚は薄手。
ヘビーオンスのスウェットとは異なり
レイヤリング前提で作られたミドルウェイト。
衣服の重ね着を考慮し
適度な通気性と保温性のバランスを取っている。
ネック仕様は、細身のバインダーネック。
主張を抑えた設計ながら
補強としての実用性を持たせている。
縫製部分にも耐久性を意識し
長期間の使用を想定したディテールだ。
そして、この型は初期モデルから
意図的に更新されていない。
過剰なトレンド対応を避け
細身のフィット感を維持することで
「定番」としての完成度を高めてきた。
必要なのは、奇をてらうことではない。
長く使えるという
単純な価値ということ。
自身はあくまでも普段着としての
ファッションを提案したいし
より日常生活の中で身近な
ものとして洋服を提案、紹介したいと
常々意識をしている。
年齢を重ねてからは特に
それを自身でも意識するように
変化してきた。
自分の速度で、服を選ぶ。
派手なものを求めない。
速すぎる流行も追わない。
着たいのは、肌にすっとなじむ
静かな服だ。
リサイクルコットンの七分袖スウェット。
この柔らかさに、無理な作り込みはない。
着るほどに、身体に沿う。
季節に抗わず、馴染む。
ワイドなグレートラウザーズは
日常の動きに余白を与える。
歩く、立ち止まる。どんな所作にも
ストレスがなくなる。
ローテクスニーカーを選ぶのも
飾らないという意識。
白いバケットハットをかぶるのは
「いま」だけじゃなく
これまでも、これからも
変わらないリズムを守るため。
一貫しているのは、服を着るスピード。
誰かに合わせない。
自分の感覚で選び、重ね
時間をかけて育てていく。
そんなスタイルには、言葉よりも
ずっと説得力があるように思う。