残布とジャズと、1枚のTシャツ
NagaoDaisuke
端切れが、音楽のように
自由だったらどうだろう?
きっちりと整った譜面通りに演奏するのではなく
即興で、感覚で、瞬間のひらめきで紡がれる。
Zan;p TEEに使われているのは
そんな“ジャズ”みたいな布たちだ。

Tシャツを構成するのは
工場で余った布。
通常であれば“ノイズ”と見なされるそれらを
armiは「素材」として捉え直した。
つまり、Zan;p TEEは
生地の即興演奏。色も、質感も
同じものはふたつとない。
ある意味ではコラージュ作品であり
リミックスでもある。
この考え方、ちょっと90年代の
スケートカルチャーや
DIYなジン文化にも似ている。
あるものを、ある形で使い切る。
新しく作るよりも、今あるものに手を加える。
既成のフォーマットから
自由になるその姿勢は
どこかパンクでもある。

けれど、Zan;p TEEは決して
荒々しくはない。
むしろシルエットは洗練されている。
定番のHARDMAN TEEとは違って
オーバーサイズ気味で身幅広でも着丈は短め。
だらしなくは見えない。
どこか、ニューヨークのSoHoを歩く
アーティストのようなバランス感。
無造作で、でも計算されている。

このTシャツに袖を通すことは
ちょっとした意思表明でもある。
地球のために何かする
というよりも、毎日の中で「何を選ぶか」を
更新していく行為。
たった1枚の服が、その人の美意識や哲学を語る——
そんな時代がきている。
アートのように自由で
音楽のように即興的で
でも生活の中にちゃんと溶け込む。
Zan;p TEEは
“使い切る美学”をまとう
新しいデイリーウェアだ。
armi / Zan;p TEE OVER