「ズボラな帽子考。」

「ズボラな帽子考。」

NagaoDaisuke

朝が、とにかく億劫だ。

髪を整えるなんて行為は

もう何年もしていない。

というより、15年前からその面倒を

回避するために長髪を選んだ。

括って終わり。それで済む。

けれど最近は、その“括る”すらも面倒になってきて

週の4日は被りモノで出勤する。

帽子は、まさに“言い訳が効く

”万能ツールだ。

 

少年時代からの野球小僧で

キャップに対する安心感は刷り込まれている。

キャップを被るだけで

何となく自分が“自分”でいられる。

ただ、6月ともなると話は別だ。

短パンにキャップ。

 

……街の鏡に映る自分が

やや若作り過ぎて見える瞬間がある。

気温と年齢の間で揺れる

50代ファッションの微妙な季節。

 

 

そんなときに重宝しているのが

バケットハットだ。

ストリートの匂いを残しつつ

ほんの少し大人な空気もまとう。

キャップほど少年っぽく

でもかしこまりすぎず


“無頓着を装いたい日”

にはうってつけの被りモノだ。

 

今回紹介するのは

ベッドフォードクロスを使用した

バケットハット。

あのU.S.NAVYのセーラーハットを

モチーフにしながらも

クラウン(頭頂部)は広めに

ブリム(つば)は

やや短めに設計されている。

そのバランスが実に絶妙で、武骨すぎず

でも緩くなりすぎもしない。

 

 

ベッドフォードクロスとは

ミリタリーウェアでも

よく見かける丈夫な織り生地。

リップストップやキャンバスに比べて

縦畝の織り目が上品な印象を与える。

でもその本質は頑丈でタフ。

つまり、“ズボラな大人”には

ぴったりの素材だ。

少々の汚れやシワなど

気にせず使い倒せる。

 

例えば、こんな日常がある。

休日の朝、Tシャツにショーツ

足元はビルケン。


そのままだとやや気が抜けすぎて


見えるがバケットハットを

被るだけで

どこか“意図した無造作”に見えてくる。

仕事帰り、白シャツにチノパンの

コンサバコーデにも

この帽子を足せば

少しだけ肩の力が抜けた大人の余裕が漂う。

 

つまり、このバケットハットは

“ズボラをカモフラージュする名品”だ。

むしろ、それを堂々と使うために選びたい。

 

年齢や季節に合わせて

抜くところは抜いて

締めるところは帽子で締める。


そんな大人の

“バランス感覚”のための帽子選びが

この夏

ひとつの答えになるかもしれない。

 

roundabout / Bedford Cloth Bowl Hat

 

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