アメリカンユニフォームの静かな品格。

アメリカンユニフォームの静かな品格。

NagaoDaisuke

直線的なカッティング。

裾に向かってごく緩やかに絞られるシルエット。

ミリタリーウェアでありながら

どこか品が漂うのは

このパンツが“儀礼用”であるという

バックグラウンドゆえ。

1990年代、U.S. M.C(米海兵隊)の

正装パンツとして支給されていたこの一本。

製造は、官公庁向け制服で

高い信頼を得るFLYING CROSS社。



ディテールに派手さはない。

だが、比翼仕立てのフロント、無駄のない腰回り

計算されたステッチ

——そのすべてが「用途」に則して

設計された結果であり、結果的に“美しい”。

ミッドセンチュリーのアメリカンデザインに

見られる「合理と造形の融合」を

このパンツにも感じる。

機能を突き詰めることで

自然と線はミニマルになる。



そして、色は白——無彩色でありながら

どんな色よりも強い意志を持つ。

白という選択は、軍用としては不利だ。

だが、このパンツはそれすら意志として背負っている。

「汚れを恐れずに使い込むことで完成する」という概念。

それは、イームズのチェアや

ラッセル・ライトのテーブルウェアと同じく

“使うこと”が美しさに繋がるという

アメリカ独自の道具観そのもの。

今このパンツを選ぶということは

単なるファッションではなく

そうした“文化のレイヤー”に

アクセスするということにも繋がる気がする。

 

白い軍パンが主役の1週間を考えてみた

 

Monday|平安神宮近辺でギャラリーのはしご。

白のドレスパンツに
グレーのスウェットフーディ。
足元はadidasあたりをチョイス。
アウターは着ない。
パンツが主役だから。

Tuesday|聖護院でレコード掘り。

ボーダーTに
シンプルなネイビーのカーディガン。
ブーツを合わせると
白パンがちょっとだけ“おじさんぽく”
なるのが逆にいい。

Wednesday|大学のゼミへ。

オックスフォードのシャツをタックイン。
ベルトはレザー、靴はVANSのSLIP-ON。
「きちんとしてるけど、気取ってないね」って
言われたい日。

Thursday|岡崎公園でコーヒー。

USEDのバンドTをゆるっと着て
パンツは裾を一折り。
スニーカーはハイテク系をチョイス。
休日感、出しすぎないくらいがちょうどいい。

Friday|気になるあの子と晩ごはん。

リネンのジャケットを軽く羽織って
足元は黒のレザーシューズ。
ミリタリーパンツだけど白だから
どこか品がある。
2軒目は赤垣屋で〆。

Saturday|買い物ついでに散歩。

無地のロングスリーブTに
ビルケンくらいにラフにサンダルで。
トートバッグの中には、パンと本。
鴨川のほとりをぶらぶら
途中で土手で一息。
ゆるくていい日。

Sunday|洗濯して、また月曜から。

ガシガシ洗っても全然平気。
むしろちょっとシワが
入ってるくらいがかっこいい。
白い軍パン、今日も明日もいい感じ。

 

VINTAGE / U.S.M.C DRESS PANT

 

お気に入りの洋服を身に纏い

京都左京区を散策も

おすすめですよ。

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