
W.O.M PANT(work/outdoor/military)
NagaoDaisukeこのパンツが目指したのは
90年代アウトドア黄金期の
自由な空気感と
フランスのワークウェアに宿る耐久性の
美学を、ひとつのプロダクトに
融合させることだった。
まず素材に選んだのは
太番手の双糸で織り上げたコットンサージ。
双糸ならではの力強い撚りが
タフな生地感と上品な光沢を生み
サージ特有の綾織りが
しなやかに体に馴染む。
洗うたびに深みを増し
穿く者とともに経年変化していく
──そんな時間を引き受けるために
作られた生地だ。
ディテールに目を向ければ
90年代に隆盛したクライミングパンツや
ワークパンツの要素が
鮮やかにアップデートされている。
象徴的な変形型の6ポケットデザイン。
本来は機能性を重視したポケット配置を
敢えてデザインピースへと昇華。
ストリートにも映える
バランス感覚で再構築した。
ウエストにはゴムを配し
ミリタリー顔の無骨さを程よく
中和するイージー仕様。
さらに、腰回りには3本の深いタックを
施すことで、豊かなドレープと
ワイドなシルエットを形成。
モードの気配を漂わせながらも
どこか気負わないムードが漂う。
裾にはアウターの袖口を
思わせるディテールを。
ボタンを開ければ
足元のシルエットを自在に変化できる。
クラシックにも、ストリートにも
スタイリング次第で表情を変える
自由度の高い一本だ。
roundabout / Cotton Serge 3tuck Big Ballon Pants
90年代のアウトドアギア
フレンチワーク、現代のモード──
そのすべてを背景に
街を歩く新しいユニフォームでは
ないだろうか。
これからの季節に合わせるならば
すべての要素を削ぎ落とした
あとに残るもの。
それが、スタイルであり
生き方なのかもしれない。
黒一色でまとめられた
このスタイリングに
過剰な演出はない。
プレーンな襟付きのニットポロ。
該当のタックパンツ。
ディテールで語るのではなく
シルエットと質感で余白をつくる。
胸元に一点、アクセサリーを置くこと
リズムが生まれる。
無機質でありながら
どこか温度を感じるその佇まいは
都市の喧騒と距離を取りながらも
決して浮かないのでは。
足元も黒で統一。
だからこそ
全体が“無”に向かうのではなく
“整えられた個”として
浮かび上がると思っている。
決めすぎない。語りすぎない。
けれど、そこに確かな美学がある。
そんなメッセージが
似合うスタイリングが心地良さそう。