黒を選ぶ理由。
NagaoDaisuke
60年代の終わり
ブルージーンズが若者の象徴だった時代に
黒のデニムを穿く人たちがいた。
彼らは、少し斜めから世界を見ていた。
ロック・ミュージシャン、芸術家
都会の片隅で夜を選んだ人たち。

ブラックデニムは
そんな“夜のユニフォーム”だった。
あれから半世紀。
黒のデニムは、反骨の象徴ではなく
静けさを纏う日常着へと姿を変えた。
街のざわめきの中に溶け込みながら
どこか自分だけのリズムを保っている。

朝、軽く髪を整えて黒いデニムを穿く。
トップスは白いシャツ
足元はレザーシューズ。
それだけで背筋がすっと伸びる。
午後、打ち合わせを終えて
そのままギャラリーへ。
夜にはバーのカウンターで
友人と過ごす。
一日が通して続いていくように
この黒もまた
昼と夜の間を自由に行き来する。

お尻まわりにゆとりを持たせ
膝から裾にかけて自然に細くなるテーパード。
履くたびに馴染み
シルエットが自分のものになっていく感覚。
きちんとして見えるのに
決して窮屈じゃない。
そんなバランスが、今の気分にしっくりくる。

昼の光の下では静かにマットに。
夜、街灯の下ではほんのり艶を帯びる。
流星のような加工も含め
黒が放つ奥行きのある表情が denim
コーディネートを引き締めてくれる。
60年代の反骨と、いまの軽やかさ。
その両方を内包する“現代のブラックデニム”
理由は多くいらない。
ただ、黒を選びたくなる。
awasa / 5pocket tapered distressed denim