肩の力を抜いた服が、いちばんちょうどいい。
NagaoDaisuke洋服の進化は
本当に止まらない。
デザインの完成度、生地開発
日本ならではの縫製技術。
匠の技と呼ぶにふさわしい洋服が
毎シーズンのように世に出てくる。
それを見て、今でもちゃんと感動はする。
若い頃と同じように「すごいな」と思う。
でも、正直に言うと――
**欲しいか?**と聞かれると
最近は少し違う。
芸術品のような服。
工芸品の域に達した洋服。
価格も、それ相応。
もちろん、その価値は理解できる。
ただ、それは
「普段の生活で本当に必要な服なのか?」
そう考えると
首をかしげてしまうことが増えた。
やっぱり洋服は
着ることそのものや
買うまでのプロセスを含めて楽しみたい。
今はそこが
いちばん大事だと感じている。
高級感よりも、日常との距離感。
過剰なデザインや、過剰な機能、過剰な価格。
そういうものを
自然と求めなくなってきた。
前置きが少し長くなったけれど
そんな今の気分に、ちょうどよくハマる服がある。

Squeezed Designの
リップストップ・プルオーバーアノラック。

初めて見たとき
「ああ、90年代だな」と思った。
自分がいちばん洋服を楽しんでいた頃
スポーツブランドが普通に出していそうな
あの感じ。
どこか懐かしくて、でも古すぎない。
クラシック未満、ろーてく以上。
この塩梅が、今の時代にはちょうどいい。

表地はリップストップ。
裏地は、なんとスウェット生地。
ポリエステルのライニングじゃなくて、スウェット。
この仕様、かなり“にくい”。
梅春の京都で考えると、これが本当にちょうどいい。
朝晩はまだ少し冷えるけれど
昼間は日差しが出ると、意外と暖かい。
例えば
・白川沿いを自転車で流す日
・東山をぶらっと歩く午後
・鴨川でコーヒーを飲むだけの休日
そんなときに
中はTシャツ一枚で、このアノラックをガバッと被る。
裏地のスウェットが、ちょうどいい安心感をくれる。
スタイリングも、驚くほど万能だ。
バギージーンズを合わせれば
そのままストリートに振れるし
ウールのトラウザーを合わせれば
京都の街に自然と馴染む
少し大人のバランスになる。
ローファーでもいいし
履き込んだスニーカーでもいい。
何を合わせても、頑張って見えないのが
この服のいちばんの魅力だ。
大人はどこか懐かしく
若い世代はユーズドや
今のトレンドとミックスしても自然にハマる。
気がつけば
「今日もこれでいいか」じゃなくて
「今日もこれが着たいな」と思って袖を通している。

今のファッションは
知らないうちに肩に
力が入りすぎている服が多い気がする。
デザインも、思想も、説明も、少し重たい。
でも本来、ファッションって
もっと純粋に
もっと感覚的で
もっと衝動的に楽しむものだったはず。
あれこれ考えず
難しい蘊蓄にとらわれず
「なんかいいな」で選べる服。
このSqueezed Designのアノラックは
そんな原点を思い出させてくれる
一枚だと思う。
気がつけば毎日着ている。
そして、不思議と気分が軽い。
純粋に服を楽しむこと。
その大切さを、静かに教えてくれる服。
Squeezed Design / Ripstop Pullover Anorak / ¥44,000-(tax in)