
00年代の
いわゆるレギュラースウェット。
特別なバックボーンや語るべき物語が
あるわけではないけれど
袖を通したときの気楽さと
今の気分にちょうどいい抜け感がある一着だ。

胸のプリントは
いかにも当時らしい素直なデザイン。
気取っていなくて、少しだけ甘い。

バックには寄せ書き風のプリントが入り
ふと振り返ったときにも視線を引き留める。
前後ともに“ただのスウェット
”で終わらないところがいい。
例えば、左京区。
朝の高野川沿いを歩くなら
色落ちしたストレートデニムに
このスウェットを一枚。
足元はくたっとしたスニーカー。
冷え込む日は
その上から薄手のナイロンジャケットを
羽織るくらいで十分。
出町柳でコーヒーを買って
そのまま鴨川のベンチに腰掛ける日なら
少し太めの軍パンを合わせてもいい。
裾はワンクッション。
スウェットのプリントが
ほどよく主張してくれるから、他は静かでいい。
自転車で銀閣寺方面へ向かうなら
スラックスにあえてこのスウェットを
合わせるのも悪くない。
きれいすぎないウールパンツを選んで
足元はローファー。
観光地の中に溶け込みつつ
どこか地元感のある佇まいになる。

このスウェットに関しては
あれこれ考えなくていい。
京都左京区の、少し生活に寄った場所を
行き来する日常の中で
自然と手が伸びる。
何も考えずに着て
街を歩いて
コーヒーを飲んで帰る。
そんな使われ方こそが
この00年代レギュラースウェットの
いちばん似合う居場所だ。