洗練とリラックス、その「間」にあるもの。

洗練とリラックス、その「間」にあるもの。

NagaoDaisuke

“JAN”のスリータックワイドパンツは

ただのワイドパンツではない。

洗練とリラックス

その「間」に静かに佇む一本だ。

 

深く取られた三本のタックが

まるで着物の襞のように立体的な陰影をつくる。

歩くたびにゆるやかに揺れるドレープは

布そのものの重みと

空気の軽さを同時に孕んでいる。

円形のクロッチ構造が自然な可動域を確保し

構築的でありながら、どこか柔らかい。

 

 

素材には、強撚で細番手の

ウールサージを採用。

この生地、単なる“ウール”とは違う。

強撚糸特有のハリ感がありながら

表面はきめ細やかで

指先でなぞるとわずかな滑らかさが残る。

サージ(綾織り)特有の斜めの畝が光を受け

奥行きのある陰影を描く。


強く撚られた糸が生み出す反発力が

パンツのフォルムを立体的に保ちながらも

時間が経つほどに身体になじんでいく。

それは

ヴィンテージのトラウザーが持つ

“育つ美しさ”にも通じる質感だ。

 

 

スタイリングで、輪郭を変える。

 

たとえば、モードに振るなら。

黒のウールジャケットに白のタートルを合わせ

足元はスリッポンで軽やかに。

パンツのドレープが際立ち

静謐な存在感を放つ。


夜のギャラリーや

ホテルのラウンジにもよく似合う。

 

 

一方で、古着の風を纏うなら。

60年代のミリタリージャケットや

日焼けしたネルシャツと合わせても面白い。

ヴィンテージの褪色と

このパンツの端正なツヤが交わると

空気が少し懐かしく

でもどこか都会的になる。


モードと古着、その中間に浮かぶ

“無国籍な美”がここにある。

 

伝統とモダンの間で。

水牛ボタンの原始的な質感と

スリットポケットのミニマルな設計。

一見、相反するようでいて

どちらも“余白”を

大切にしたデザインだ。


それは

日本的な“間”の美学に通じる。

主張しすぎないが

確かに存在する。

 

 

このパンツが持つ美しさは

静けさの中にある。


強さを誇示するのではなく

纏う人の内側に呼応するような

控えめな強さ。


その“間”に宿る緊張感こそ

“JAN”が描く現代のスタイルなんだと思う。

 

TOKIARI / JAN THREE TUCK WIDE PANTS

Back to blog

Leave a comment

Please note, comments need to be approved before they are published.