「時間を纏う」

「時間を纏う」

NagaoAtsuko

 

襟元にそっと配された繊細なレース。

肩に宿る、記憶のような刺繍。

1950年代

フランスの片隅で生まれたアンティークドレスは

どこか懐かしくて

それでいて不思議と今の気分にもぴたりと寄り添う。




 

その秘密は、“素材”にある。

使われているのは、フレンチアンティークリネン。

細番手の上質な糸で織り上げられたこのリネンは

肌に乗せた瞬間、すっと空気を逃がすように軽やか。

触れた肌にほのかなひんやり感と

天然素材ならではの温もりを残していく。

古くからヨーロッパでは

作業着や寝具として親しまれてきたこのリネンは

暮らしの中で育つ“実用の美”を知っている。

そして今、わたしたちのワードローブの中で

静かに、しかし確かに、新たな命を得ている。

 


たとえば

白のワイドリネンパンツを重ねたモノトーンスタイル。

清楚でクリーンなレイヤードは

レースや刺繍の陰影を際立たせ

着る人に“静かな強さ”を与えてくれる。

細身のグルカサンダル

耳元には片耳だけに添えたパールピアス。

控えめなのに目が離せない、そんな佇まい。

 

 

あるいは

ベージュのクロップドパンツにインして

ブラウスのように着こなす休日の午後。

手元にはラフィアのカゴバッグ

胸元にはアンティークゴールドの

ネックレスをひとさじ。

街角のカフェで

カフェラテを片手に過ごす時間に

ほんの少しの余裕と柔らかさを与えてくれる。

 

 

真夏の日差しがきらめく日には

潔く1枚でさらりと着て、風を味方に。

インナーに透け感のあるスリップを重ね

動くたびに揺れるシルエットを楽しみたい。

足元はフラットサンダル、手首にはシルバーのバングル。

大ぶりのサングラスをかければ

都会に咲く白い花のような存在感に。

 

 

そして、静かな夏の夜。

黒のシルクキャミソールワンピースを中に仕込み

奥行きをもたせたレイヤードでバルコニーに出る。

風が肌をなでるその感覚すら

心地よく感じられるこのドレスは

ナチュラルとエレガンスのあわいに立ち

静かに、しかし確かに

女性の品格を引き立ててくれる。

 

 

季節が変わっても

この一着は姿を変えて寄り添ってくれる。

「着るアンティーク」という新しい選択肢。

時間とともに育ち、日々の空気を記憶する服。

そんな存在が

今のわたしたちに必要と感じる。

 

 

Antique / French Antique One piece

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