
「技術」と「日常」のあいだに。
NagaoDaisuke60年代のアメリカではスウェットは
もともと労働着だった。
けれど
今の僕らが求めているのは
ただの“楽さ”ではない。
部屋着でもなく
スポーツウェアでもない。
日常の中で呼吸するように着られて
しかも美しい──
そんなスウェットを
目指して作ったのが、この一枚。
和歌山の丸編み機で
編み立てたピマ綿の裏毛は
軽やかで柔らかい。
それを葛飾の工場でしか
できない加工で仕上げ
耐久性と弾力を持たせた。
袖を通すとふんわり
包み込む感覚があって
なのに品がある。
この「技術」と「快適さ」の
バランスこそ
いまのスウェットに必要なものだと思う。
たとえば
グレートーンの
ウールトラウザーに合わせてみる。
リブ丈の短さがちょうどよく
裾のバランスが美しい。
ローファーを履けば
カフェにも打ち合わせにも
行ける大人の“街着”になる。
ラフなのにだらしなく見えない
──そんな距離感がいい。
また、白いバンドカラーシャツを
一枚重ねるだけで印象が変わる。
首元や袖口から覗く白が
このスウェットのグレイッシュな
表情を引き立てる。
パンツはチノでもスラックスでもいい。
シャツの清潔感と
裏毛の柔らかさが重なって
静かな知性を感じさせてくれる。
休日には
インディゴデニムと合わせたい。
スウェットもデニムも
着込むほどに自分の形になる。
数年後、袖口の少しの擦れや
生地の馴染みが
自分だけの“時間の跡”
になっているはず。
そう思うと
この服はファッションというより
生活の延長にあるもののように思えてくる。
糸、生地、加工、そして仕上げ。
そのすべてに技術と誠実さが詰まっている。
それなのに
着ると不思議と肩の力が抜ける。
日常に美しさを持ち込みたい人のための
静かな一枚。
awasa / supima aging cotton crew neck sweatshirt