土に耳を澄ます

土に耳を澄ます

NagaoDaisuke

 

信州の伊那。

その静かな土地で

宮田春花さんはひとり

土と向き合いながら作陶を続けています。

器づくりは

土を買うところからではなく

山に入るところからはじまります。

小さなシャベルで

丁寧に掘り出した原土には

石粒や草の根が混ざり

扱いにくさもあります。

けれど、そうした“不完全さ”こそが

宮田さんの手を通して

美しいうつわの姿へと

育っていくのです。



「思い通りに成形するのではなく
土がなりたい形にゆだねる」。


その言葉の通り

完成したうつわには

どこか自然の呼吸のようなリズムが

宿っています。

 

釉薬もまた、草木を燃やして灰をつくり

自ら調合した灰釉。

すべての工程に

手間と時間と静けさが流れています。

 

 

なかでもこの「鉢」

夏の食卓にそっと似合う器。

冷たい夏野菜の煮びたし

氷を添えた果物、素麺や枝豆。

盛りつけるだけで

食材が呼吸をはじめるようです。

 

 

荒々しさと、やわらかさ。

素朴さと、静かな品格。

土の力強さと

作り手の繊細さが溶けあって

この器は生まれています。

 

 

手のひらに感じる

少しざらりとした質感や

釉薬の奥に見えるかすかな景色。

目をこらすほどに

その魅力は深まっていきます。

 

 

慌ただしい日々のなかに

ほんの少し立ち止まって

手にしたくなるもの。

それが

宮田春花さんのうつわです。

 

お店でも常設の宮田さんの

器たちですが

7月18日(金)から

2回目の個展を開催予定。

今回もたくさんの器から

宮田さんらしいオブジェたちも

多く展示します。

多くの方々に

見て頂きたい個展に

なりそうです。

 

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