金属の輝きより、静かな質感を選びたくなる日がある。

金属の輝きより、静かな質感を選びたくなる日がある。

NagaoAtsuko

選ぶ基準は

いつも自分の中にしかない。

何が流行しているかより

今の自分にフィットするかどうか。

肌に乗せたときの感触

鏡越しに見たときの輪郭。

そして、ふとした瞬間に感じる

小さなときめき。

used wood earring

 

80年代の空気を纏った木製のピアスは

そんな小さな相棒だ。

金属のシャープな光沢でも

宝石の強い輝きでもない。

もっと静かで、もっとあたたかい存在感。

耳元にそっと宿る、素材の呼吸。

わずかに大きめのサイズも

ちょうどいい。

主張はするけれど

無理には叫ばない。

このピアスには

どこかインテリアのような美しさがある。

人のために飾るのではなく

自分の心地よさのために

選び抜かれたものたち。

角度によって表情を変える曲線

手に取ったときのわずかな重み。

日々を重ねるたび、愛着が増していく。

たまに「どこで買ったの?」と

聞かれることがある。

そのたびに、少しだけ答えをためらう。

教えたくないわけじゃない。

ただ、この感覚は

言葉にしてしまうには惜しいと

思ってしまう。

古いものには

時間が織り込まれている。

けれど、それに甘える気はない。

ヴィンテージも、デッドストックも

ユーズドも。

すべては、今を生きる自身が選び

纏うから意味がある。

私のスタイルは

誰かに説明するためのものではない。

私は、私のために着る。

そのささやかな矜持を

耳元の木が静かに肯う。

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